( 2015年6月1日 )(1)
宇奈月国際ホテルを、7:50に出発して、宇奈月駅前にある関電の「黒部川電気記念館」に立ち寄り、そこで
案内してくださる方の紹介と行程説明があり、ざっと記念館内部や周辺を見学し、黒部峡谷鉄道・宇奈月駅発
8:37の臨時列車で欅平に向います。
黒部川電気記念館
木製のカード(黒部ダム関電ルート見学会参加証)
記念館構内にある「山田胖翁之像」
山田胖氏の経歴
(画像をクリックすると拡大して見られます)

[ 黒部峡谷鉄道 ]
電気記念館から、黒部峡谷鉄道・宇奈月駅に入ると、私達の乗る列車はすでにホームに入っていました。
今年は、冬季休業のあと雪崩などの影響で開業が遅れ、5月28日に全線開通に入った直後の休日明けとあって、
従業員の方たちの通勤と、観光客でホームは大変混雑していました。発車までの時間に撮った車両写真と、欅平
までの風景写真です。
宇奈月車庫
牽引の電気機関車(EDR24+EDR25)
「阿里山森林鐵路」と姉妹提携のヘッドマーク
最後尾の資材運搬用貨車
列車は、8:37に宇奈月駅を発車すると間もなく黒部川に架かる「新山彦橋」を渡って、黒部川の右岸に移りま
す。暫く走りトンネルをでると右側に、宇奈月ダムとすぐ上流の宇奈月湖に架かる赤いローゼ橋が見られます。
山の緑、湖面の青、橋の赤のコントラストが素晴らしいです。
宇奈月湖
宇奈月ダムを見ていると柳橋駅に着き、目の前が「新柳河原発電所」です。この発電所は、宇奈月ダムで水没
する「柳河原発電所」に代わって建設されたもので、平成5年運用開始、取水は上流の「出し平ダム」です。
新柳河原発電所
宇奈月湖上からの姿 (関電ホームページより)
柳橋駅を出て、宇奈月湖奥部に差し掛かったとき、小さな吊り橋が架かっていましたが「猿専用吊り橋」だそう
で、実際に猿が渡るそうです。
        猿専用吊り橋 (中央の白い線様)
森石駅の手前の右眼下に、仏さんに似た石があり、帽子と赤い布を着せてもらって「仏石」として、登山者の
安全を祈願しているそうです。チラッとしか見えないのですが、旨く写真に収められました。
仏石
黒薙駅を発車するとすぐ「後曳橋」を渡ります。黒薙川に架かる高さ60mの橋で、鉄道橋のすぐ上流側に水路
橋が架かっていました。
後曳橋を渡る列車
黒薙川に架かる水路橋
黒薙から笹平を経て暫く走行すると、右手に「出し平ダム」が現れました。「新柳河原発電所」の水力源です。
出し平ダム
「出し平ダム」を右に見ていると間もなく「出平駅」で、駅のそばを「冬季歩道」が通っています。
「出平駅」の冬季歩道
「出平駅」を出発し、「出し平湖」を右に見ながら走り「猫又駅」に近づくと「黒部川第二発電所」が見えてきまし
た。この発電所は、昭和11年に運用開始した水力発電所で、取水は上流の「小屋平ダム」です。
「黒部川第二発電所」
「黒部川第二発電所」の黒部川を隔てた向い側が「猫又駅」です。ここで、従業員の方が何人か下車し、宇奈月
行列車と行き違いします。
猫又駅
線路は、猫又ー鐘釣間で鐘釣橋を渡って、また黒部川の左岸に移ります。そして、「鐘釣駅」です。「鐘釣駅」の
黒部川の対岸には、雪が堆積して夏でも解けない「黒部万年雪」が見られます。
鐘釣駅
黒部万年雪
「鐘釣駅」を出ると次は「小屋平駅」ですが、その手前のトンネルには鉄製の扉が付いているとガイドの方が案内
してくれました。入口では撮れずに、出たところで振り返って撮った写真です。
ガイドさんが詳しい説明をしてくれなかったので、帰って調べてみますと、このトンネルの鐘釣方に「ウド谷」とい
う谷があり、冬季には非常に雪崩の多発する谷で、この谷に架かっている「ウド谷橋」が過去に雪崩で流された事故
があったそうです。そのような経験から、冬季休業に入ると、「ウド谷橋」のレール、枕木、橋桁を取り外し、このトン
ネルの中に収納しておくそうです。扉は、風雪の入り込むのを防ぐ目的で設置されたそうです。そのような保守がな
されていることを知り、そのような過酷な環境に耐え忍んでいる「黒部峡谷鉄道」に改めて敬意を表する次第です。
No.35トンネルの鉄製扉 (小屋平方)
撤去されている「ウド谷橋」
(黒部峡谷鉄道のホームページより借用)
「No.35トンネル」を出ると間もなく「小屋平駅」で、駅のすぐ裏側に「小屋平ダム」を見ることが出来ました。
「小屋平湖」が「黒部川第二発電所」の取水源です
小屋平駅を通して見えた「小屋平ダム」
「小屋平駅」を出ると次はいよいよ終点の「欅平」です。「欅平駅」の左眼下に「黒部川第三発電所」がありまし
た。この発電所は、運用開始が、昭和15年で、取水源は、彼の「高熱隧道」を克服して建設された「仙人谷ダム」
と「黒部川第四発電所」の放流水です。
黒部川第三発電所

( 欅平駅 )
欅平駅
欅平駅駅名標
欅平駅標高
坑内用電気機関車に引かれて「欅平・竪坑下部駅」へ