C53形蒸気機関車は、戦前、日本で製造された唯一の3気筒蒸気機関車で、主として東海道、山陽の本線で、特急、急行など
上級客車列車を牽引して活躍していたが、3気筒ゆえの保守に、手間、費用がかかり、そのため次第に数を減らされ、戦後昭和25
年(1950年)に全て廃車された。その中で、C5345機だけが、原型のまま保存されて、吹田教習所で教習に供されたあと、鷹取工場
で、静態保存されていた。
筆者は、昭和32年に下関から上阪し、大阪の学校に通っていたが、たまたま、C5345号機が鷹取工場に保存されていることを知
り、友人を誘って、昭和33年2月に工場を訪問し、撮影させて頂いたのが、下の写真である。実車を目のあたりにし、何か戦慄を覚え
たのを記憶している。
神戸・鷹取工場で休眠中の C5345 (S33-2-26) 神戸・鷹取工場で休眠中の C5345 (S33-2-26)
神戸・鷹取工場で休眠中の C5345  (S33-2-26)
このような状態で、廃車されて8年も経過した本機が、将来走行することなど夢にも考えず、忘れかけていたが、昭和36年のある
日、翌年に鉄道90年を記念して開設される、大阪交通科学館に復元走行して保存されることを知った。
走行日は、昭和36年9月20日(水)、21日(木)の2日だけで、鷹取駅ー吹田操車場間の運行で、途中、西宮駅で披露停車、という
スケジュールであった。
当時すでに社会人となり、勤めがあったが、何としても見て、聴いて、記憶しておきたく、どちらに休暇をとるか迷ったが、結局、西
宮に在住しており、装飾も無く、ゆっくり撮影できるということから、20日に休暇をとり、西宮に出かけて記録したのが、下記です。
[ 復元された C5345 (S36-9-20) ]
西宮駅に到着  (S36-9-20)
右 側 面
左 側 面
美しい動輪
運転席部
製造プレート
EF15170 と並んだ C5345
準急「たじま」 と並んだ C5345
試運転の最新車「キハ82」 と並んだ C5345
[ C5345 復元走行時の牽引車輌 ]
サニ 7470 スシ 28301
マニ 7470
スシ 28301
マロネフ 591 マロテ 492
マロネフ 591
マロテ 492
[ お別れ ]
西宮を出発してゆく  C5345 (S36-9-20)
栄光のC5345  勇姿を有難う !!
[ 梅小路蒸気機関車館に静態保存されている C5345 ]
            京都・梅小路蒸気機関車館       (H11-10-23)
[ 付録 ]
(父親の古いフイルムに入っていた写真です)
C5314 (撮影場所、時期不明)
C5314      (撮影場所、時期不明)